2回目のリバウンド
天が脱ステロイドをはじめて1週間ほどでリバウンドの症状が出て、全身の皮膚がつぎつぎにはがれてどこまで脱皮を続けるのだろうか…と先が見えずに悩みましたが、それも約2週間で落ち着き、天も機嫌よく起き上がれるようになりました。
ちょうどお正月で、明るい気持ちで家族でお正月を祝うことができました。やれやれ、リバウンドは終わった、これからはよくなるだけだ・・・と安心したのもつかの間、3学期が始まってしばらくして、今度は目の周りが腫れはじめました。
涙と目やにがひどく出て、目を開けることができない。それとともに、顔~首を中心に、再びかゆみが出てきました。2回目のリバウンドです。
一回目のリバウンドより比較的症状は弱いように思いますが、それでもやはり、顔がひびわれ、リンパ液がにじみ出て、血がかたまりを作っています。特にひどいのは耳です。耳のかゆみが止まらないらしく、寝ているときも起きているときも、かいてしまう。
血が出るまでかき続けて、そのあとはかいた傷口が痛くてたまらない。枕カバーとパジャマの首まわりがリンパ液と血でびっしょりと濡れ、それが乾くとぱりぱりになります。
からだのほうも、一回目のリバウンドのときほどかゆみは出ないと言っても、まったくないわけではありません。やはりかきむしってしまい、しばらくするとその傷口が痛くて起き上がれなくなる。
あまりに苦しそうなので、「もうやめようか?」と声をかけると、天は「ここまでやったら最後までやりたい」と言うのです。
続けるしかありません。
ただ、1回目のリバウンドに比べると、乾いた際に皮膚からはがれ落ちる粉が小さく細かくなりました。前回は粉が大きかったので、これはよい方向での皮膚の変化と言えると思います。
ふとんで寝るとあたたまり過ぎてかゆくなるようで、ソファで寝ることが増えました。何かしら音があるほうが気が紛れて寝やすいのか、テレビを低い音声でつけっぱなしで寝ていたことも多々ありました。この状態を一か月ほど続けるうちに、ところどころ、きれいな皮膚が見えはじめました。
現在のようすは、こんな感じです。
現在はまだ、肌のところどころに赤みが残っており、元通りというわけではありませんが、全体的につやが出てきています。ここ一週間ほどは、寝ているときにひどく汗をかくようになりました。皮膚の新陳代謝が活発になり、健康をとり戻しつつあるのではないかと見ています。
脱ステロイドのまとめ
脱ステロイドは、学校生活にも大きな影響がありました。この間、天は合計ほぼ2週間、学校を休んでいます。
一回目のリバウンドのときに、約一週間。。
このときは2学期が終了間近であったのと、コロナで学校自体が休校がちであったため、担任の先生とも相談し、冬休みまで休むこととしました。
2回目のリバウンドのときにも、約一週間。
見た目に大きな影響が出たため、思春期でもある天には、学校に行くことはかなりハードルが高かったはずです。けれども、先生方のはからいで、来られる時間だけ、たとえば午前中とか午後だけとか、または保健室での登校でもよいことになりました。天にとっては幸運なことに、脱ステロイド経験者の先生がおられたそうで、職員室でずいぶん天の話題が出て、共有してくださったようです。また、制服がからだを締め付けてひどく痛みを感じるため、体操服での登校も認めてくださいました。
友だちも、ただれた顔は見て見ぬふりをしていてくれたり、背負えないリュックを持ってくれたりと、あたたかな対応をしてくれたそうです。
現在、脱ステロイドを始めて3か月半。ようやく生活もふだんどおりに戻り、天も機嫌よく過ごす時間が多くなりました。映画を観に行くなど、自分から外に出る機会も増えました。
今回通ったお医者は、ステロイドを「いきなり止める」タイプのお医者でした。薬をいくつか併用しながら、ステロイドを「ゆっくり止める」やり方もあるようです。「いきなり止める」ことに対しては、当初驚きもありましたが、これくらい強引でなければ、なかなか脱ステロイドには踏み切れなかったのも事実です。
脱ステロイドといえば、何か特別なことを行うのか?と思われがちですが、結局「何もしない」のが「脱ステロイド」なのです。何もせず「辛抱する」これしかありません。この「辛抱」ができるかできないかが、成否を分けるのだと思います。
これは中学生の、ある程度辛抱できる年齢になった天だからこそできたのではないかとも思いますし、辛抱するしかなかったから辛抱したのだとも言えます。いちど特急列車に乗り込んだら終点まで行ってしまうしかないように、脱ステロイドも、いちど始めたら最後までやる以外ありません。
ただ、脱ステロイドを始める際には、時期もよく考える必要があると思います。天は中2の今だからこそできた部分が大きいです。受験などの大きな節目は避けたほうがよいでしょう。
また、本人の辛抱もありますが、周りの辛抱も重要です。子どもを信じて放っておけるかどうかが、成否を左右します。今回、わたしも天の回復力を信じるしかない、という気持ちでした。
以上、今回の脱ステロイドを通じて感じた(まだ終わってはいませんが)ことをまとめると、ポイントはつぎのふたつです。
①始める時期をよく考える→リバウンドの期間を加味して、人生の節目にはかからないようにする
②最後までやり抜く強い気持ちを持つ→脱ステロイドはいちど乗り込んだら終点まで降りられない特急列車のようなもの。辛抱辛抱、また辛抱
あなたの脱ステロイドが成功することを祈っています。
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。