中学校 評定のつけ方

評定

むかしは(2002年ごろまで)公立中学校の成績といえば「相対評価」が主流でした。現在は「絶対評価」に変わり、その基準が明確化されています。天の中学校(大阪)も、評定のつけ方が開示されています。以下、そのくわしい内容をご紹介します。

各教科は

①知識・技能

②思考・判断・表現

③主体的に学習に取り組む態度

の3つの観点から評価されます。

各観点には、教科によって、つぎの評価内容が設定されています。

国語であれば

①知識・技能→言語事項(書写、読解、文法、漢字、古典) 小テスト/定期テスト/実力テスト/配布プリント/作文/作品

②思考・判断・表現→話す・聞く・書く・読む  定期テスト/実力テスト/ノート/配布プリント/発表

③主体的に学習に取り組む態度→課題に対して取り組む姿勢  ノート/提出物/授業に取り組む姿勢

これらをつぎの評価基準で評価します。

◎A じゅうぶん満足できる(8割程度~)

◎B おおむね満足できる(3割程度~8割程度)

◎C 努力を要する(3割未満)

各観点をこの評価基準で評価し、5段階の評定とします。

AAA→5

AAB,ABB→4

ABB、AAC、BBB、ABC、BBC→3

ACC、BCC→2

CCC→1

ここで注意。「絶対評価」は、生徒の各目標の達成度が基準となります。まわりと比べての評価となっていた「相対評価」と比べると、評定が高めに出ます。

相対評価では、「1」と「5」の割合が少なく、「3」の割合が高くて生徒の大半が「3」をつけられていたため、「3はふつうの成績」ととらえられがちす。しかしながら、「絶対評価の3」は観点評価のAがない、またはCがある、という意味ですので、平均より下であることが多いのです。

わたしたち親世代は相対評価で育っていますから、「3」があればまあいいか・・・と考えてしまいますが、そうではない、ということは覚えておきたいものです。

 

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たとえば、国語では

実際の評定

では実際の評定がどうなるのか、国語で考えてみましょう。

国語のそれぞれの観点の評価内容は、上記のように

①知識・技能→言語事項(書写、読解、文法、漢字、古典) 小テスト/定期テスト/実力テスト/配布プリント/作文/作品

②思考・判断・表現→話す・聞く・書く・読む 定期テスト/実力テスト/ノート/配布プリント/発表

③主体的に学習に取り組む態度→課題に対して取り組む姿勢 ノート/提出物/授業に取り組む姿勢

となっていますから、定期テスト、実力テストなどで80点をとっていれば、①と②の評価はA。加えて、積極的に授業に参加し、提出物がしめきりまでにきちんと提出できていれば、③もA。国語の観点評価はAAAとなり、評定は「5」となります。

しかしながら、興味深いのは以下の事例です。

テストの点はじゅうぶんとれていて、①②がAであっても、提出物ができておらず、③の評価がCになると、観点評価はAACとなって評定は「3」。逆にテストの点がとれず、①②のいずれかがBまた両方がBであっても、提出物がきちんと出ていて③がAであれば、観点評価がAABまたはABBとなり、評定が「4」となります。つまり、テストの点数とは逆の結果になるのです。

これを踏まえると、中学時代に何を大事にすればよいかがはっきりしてきます。

小テスト、定期テストで平均点以上をめざすことはもちろんですが、提出物をしめきりまでにきっちりこなしておけば、「4」の可能性が高い、ということです。

 

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提出物という怪物

提出物

中学の先生方はそろって、「提出物をきちんと出す」ことばかりおっしゃるので、わたしとしては意外な気持ちがしていました。提出物を侮る気持ちはないけれども、やはり能力が大切なのではないか。能力で評価してほしい・・・と考えていたのです。

けれども、学校というところは、社会に出ていくための訓練を行う場所です。自分の果たすべき役割を理解しているかどうか、そしてルールを守れるかどうかに重きを置くのは、当然のことかもしれません。

また、先生というのは目が回るほど忙しいものです。先生にしてみれば、たくさんいる生徒ひとりひとりにじっくり向き合えるのは、テスト以外では提出物だけである、といっても過言ではありません。提出物の出来が、生徒の能力や態度の評価を決めるツールになってしまうのも、当然といえるでしょう。

高校受験をがんばりたい、よい内心点がほしいと考えるのであれば、まずはふだんの授業に積極的に参加する、そして提出物を出すという、目に見えるものから攻めていってはいかがでしょうか。それはけっしてむずかしいことではないと思います。けれども、続けるには強い気持ちが必要です。その「気持ち」を育み伸ばすのが、中学生活なのです。

最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

 

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学習塾を経営しながら、発達障害グレーゾーン中学生の息子・天を絶賛子育て中。 楽しかったり楽しくなかったり、うれしかったりうれしくなかったりする天との毎日を、母の目から率直につづります。