アレルギー性鼻炎の手術を受けてみた

アレルギー性鼻炎の手術

幼少のころから、アレルギー性鼻炎に悩まされてきました。どうやら「寒暖差アレルギー」のようで、冷房の効いた場所に入るときや、秋のだんだんと寒くなっていく時期など、温度差を感じたときにくしゃみや鼻づまりがひどくなる傾向があります。時期によっては鼻が気になって気になって、勉強や仕事にも集中しにくく、悩みの種でした。

そこで三年前の冬、思いきって耳鼻科で手術を受けることにしました。肥大して固くなった鼻の粘膜をレーザーで焼き、アレルギーを起こしにくくするという「下甲介粘膜焼灼手術」です。

ひとくちにアレルギー性鼻炎といっても、この手術が向いている鼻炎とそうでない鼻炎があるそうで、診察を受けたところ、わたしはこの手術による効果が期待できるタイプとのことでした(やはり鼻炎がある天兄にも手術を受けさせようと診てもらいましたが、残念ながら手術は向いていないそうです)。

簡単な手術ではあってもやはり手術は手術、しかも鼻という、顔の真ん中にあって刺激や痛みの影響をダイレクトに受けそうな部分ですから、受けようか受けまいかずいぶん迷いました。しかし、やらなくては一生悩み続けることになると考えて、思いきって受けてみました。

その結果をひとことで表すと、「生活の質が劇的に」上がりました。鼻づまりがある方にはわかってもらえると思うのですが、鼻炎というのは、そのときどきの鼻の調子によって、入ってくる空気の量が一定していません。呼吸は鼻でするもの、とはいわれるものの、鼻からじゅうぶんに空気が入ってくることは期待できませんから、いつも口呼吸を併用しています。しかし、手術のあとは、鼻からどんどん空気が入ってくるのです。こ、こんなに?とびっくりするくらい。

そのうえ、寒暖差を感じても、くしゃみをしなくなりました。また、意外な効果として、わたしはコーラスをやっているのですが、いつもハミング(口を閉じて鼻から声を出す)のパートで、鼻づまりのせいで死にそうになっていました。しかし、手術以来、ハミングもへっちゃらです。

しかし手術から3回目の秋が来て、また寒暖差を感じはじめたのです。朝が寒いので、くしゃみをくり返します。気温の上昇とともに落ち着いてくるのですが、夕方になって気温が下がってくると、またくしゃみが…

粘膜は再生するので、手術の効果は永続的ではない、と聞いていました。つまり、また手術の時期が来たのです。

耳鼻咽喉科を訪ねると、先生は「あ~、また粘膜が戻ってきたね」と楽しげに言い、2回目の手術を受けることになりました。

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2回目の手術

2回目の手術

手術予定時刻の30分前に耳鼻科に行き、まず麻酔を行います。

麻酔液がしみこんだ細長いガーゼを鼻の奥に入れていきます。20~30センチメートルくらいはあったと思いますが、するすると吸い込まれていきます。鼻の奥の広さに、驚くばかりです。緊張はしますが、痛くはありません。

その状態で、待つこと30分。麻酔液がのどに入りそうになったらここに吐いてください、と言ってピンクの容器を渡されましたが、どちらかといえば、鼻の穴からぽたぽたと麻酔液が垂れてきて、ティッシュで押さえ続けていました。鼻で息ができない状態ですので、暖房とあいまって、だんだん頭がぼや~っとしてきます。そこで名前を呼ばれました。

いよいよ手術。

この耳鼻科で行っているのは、「アルゴンプラズマ療法」です。壁に貼られたポスターには、「イオン化されたアルゴンガス(プラズマ)の中を高周波電流が非接触的に組織に流れていきます。電動性の高いアルゴンガス中の放電は、電流密度が低く均一であるため、組織を浅く、均一に凝固することができます」と書かれています。専門的過ぎてよくわかりませんが、「ガスで粘膜を焼いて固める」とまとめてよろしいでしょうか?

麻酔用のガーゼが抜き取られ、青い細い棒を鼻の奥に差し入れられます。この先からきっと、アルゴンガスが出るのですね。粘膜が焼かれているようです。しゅわ~という音がします。麻酔が効いているので痛みはありませんが、焦げくさいにおいがします。奥を焼かれるときは、まるで針金のようなものでこすられているような、チリチリとしたかすかな痛みがありました。

約5分で、片鼻が終わり、反対側、また5分。

あっという間に終わってしまいました。

しばらく待合室で、出血がないかなどのようすを見れば、すべて完了です。

手術のあとは、鼻の中が「やけど」の状態になっているので、痛みや出血などがあるかもしれないと言われましたが、ときどき鼻の奥に違和感を感じるだけで、特に問題はありません。

次の日には、やたらと鼻水が出ました。しかも右と左では、出方に少し違いがあり、右はつまった感じ、左はぽたぽたと流れ出る感じです。

術後2日目に鼻水が少しおさまったものの、鼻の奥が少し乾いたような、つっぱるような感じがします。鼻の穴自体もたぶんキズのせいでせまくなったり広くなったりしているのでしょう、息を通すと、「すーすー」「ぴゅーぴゅ―」という、おもしろい音がするときがあります。そして、寝ているときも鼻からうまく息ができないせいで、ずいぶん苦しそうにしていたと、夫が言っていました。

もらったお薬は抗生物質、痛み止め、胃薬と点鼻薬。一週間後に、経過観察のため診察に行き、鼻の奥にたまった焼けカスをとってもらいました。

鼻のキズなどが治り、手術の効果が出てくるのは、2週間~1か月ほどかかるようです。わたしの場合は、2週間で、空気がどんどん入る状態になりました。とてもとても快適です。鼻の奥のつっぱりは少々残っているものの、それも日を追って治っていくでしょう。何よりも、鼻のつまりがうそのようになくなるわけですから、まさに生まれ変わったような気持ちになります。

 

費用について

費用

この手術には、健康保険が適用されます。3割負担で、前回の手術時は、手術代だけで12000円ほどかかった記憶があるのですが、今回はなぜか、3860円。技術の進歩によって費用が抑えられるようになったのでしょうか。前後の診察と薬代などをあわせると、トータルで7000円ほどの出費になりました。

けれども、加入している生命保険に日帰り手術特約がついており、前回も今回も、全額保険でカバーされました。手続きも、ネットで書類を提出するだけという手軽さ。日帰り手術特約がついている方には、ぜひ活用してほしいと思います。

以上、2回目のアレルギー性鼻炎の手術について、わたしの体験をお伝えしました。現在鼻づまりに困っていて、「生まれ変わり」を感じてみたい方には、本当におすすめです。

最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

 

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学習塾を経営しながら、発達障害グレーゾーン中学生の息子・天を絶賛子育て中。 楽しかったり楽しくなかったり、うれしかったりうれしくなかったりする天との毎日を、母の目から率直につづります。