子どもは親の気持ちを忖度する

 

子どもに無理強いすると、倍返しがくる

倍返し

天が、塾を辞めました。

そろそろみんなが本格的に塾を考え始める中2の秋に、逆に辞めてしまうとは…

勉強しない天が、塾に行けばなにがしかの勉強をするようになるだろうと考えた結果の、塾押し込み作戦だったわけですが、甘かったようです。

やる気0%の天に対して、先生方は非常によくしてくださいました。遅刻したときは必ず電話をくれ、面談を設け、手を尽くしてくださいましたが、天のやる気が上向くことはありませんでした。そして、天は自分で、辞めたいと伝えたそうです。

これからは、自分で勉強するそうですが…

中間テストが来週に迫ってきていますが、勉強するようすは今のところありません。

しかしながら、ここは、天の意思を尊重するしかありません。無理に塾に行かせることはできないからです。

何事でも、子どもに無理強いさせるとのちのち倍返しが来る、という例は、友人たちから多数聞いています。

  • 近所の私立学校に中学部ができたので、一緒に学校見学に行ったら子どもが「受験したい」と言い出した。猛勉強の末合格したが、一年後に不登校となり、「本当は受験したくなかったのに、お父さんが無理に受けさせた」と言われた。
  • お子さんが大学を複数受験して、本命には落ちたものの、第二志望・第三志望には合格した。本人が「浪人はしたくない」と言ったので、第二志望の大学に入学したが、あとあとになって、「本当は浪人して、本命の大学に行きたかったのに、そうさせてもらえなかった」と言われ、ずっと責められ続けている。

親しい友人なので、いずれの場合も、当初はお子さん主導といってもよい状態だったことを知っています。親子で力をあわせて乗り切って、最善の道を選択したと思っていたのです。

なのに、あとから「本心は違った」と言われてしまったら。

あぜんとした、と友人たちは語っています。そして、子どもがいちど本心を言い出したら、絶対にそれを引っ込めることはありません。友人たちは何年にもわたって、苦しい立場に置かれ続けています。

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子どもは忖度する

忖度

これらの例からわかるのは、どうやら子どもというものは、親に対しては「本当の本心」は隠しているらしい、ということです。

「本当の本心」という言い方はちょっとへんですが、子どもは知らず知らずのうちに親と同化して、なんとなく「親の気持ち」が「自分の気持ち」だと勘違いしてしまっているのではないでしょうか。

つまり、子ども自身、自分の本当の気持ちがわかっていないのです。子どもとよく話し合って、というのはよく言われることですが、たとえ話し合いの場を持ち、子どもに「本心を言って」と迫って何らかの答えを引き出したとしても、それは子どもの本心ではない可能性が高いです。

食事の好き嫌いなど小さなことでは本音を言っても、進路などことが大きくなるほど、子どもは自分でもそうとは思わずに忖度して、本当の気持ちを親には言わないように思います。

前述の例でも、きっと友人たちは、言葉にはしていなくてもきっと、「受験してほしい」「浪人しないでほしい」という気持ちを持っていたのだと思います。それを子どもたちは、ちゃんと見抜いていた。

どんなときでも、子どもは親を喜ばせたいのでしょう。自分に対する親の期待を、いやというほど知っている。だから、親をがっかりさせるような「本心」は、よっぽど追いつめられない限り言うことはないな、と考えています。

友人の、壮絶な体験に基づく貴重なアドバイスから考えると、今回は天の意思を尊重し、塾を辞め、一秒も勉強しないことを受け入れねばなりません。

天は、塾を辞めたい理由を、「疲れたから、やる気がないから、めんどくさいから」と言いました。

なるほど、勉強したくないことはよくわかりました。

そこでつい、大人は、「じゃあ、やりたいことはなんなの?」とか「将来のことをどう考えているの?」と、問いつめてしまいがちです。

わたしもそうしたかったのですが、ぐっとがまんしました。

というのは、今まで天に「なんで〇〇なの?」と聞いて、まともに答えが返ってきたことがないからです。

たぶん、なんにも考えていないのです。「勉強はやりたくない」し、かといって、「ほかにやりたいことも特にない」し、遠い将来のことなど「考えたこともない」のだろうと予想しています。

親は、中学時代が心も身体も伸びていくとても大切な時期であることを知っていますから、つい、「その時期を無駄にしてはいけない」と思いがちです。

でも、自分の中学時代をふり返ってみると、「大切な時期にいる」などとはつゆほども考えなかったし、たとえ考えたとしても、そうやって大人のいうとおりになることなんてかっこ悪いと考えたと思います。将来のために役立つことをするのも、あざといような気がしていました。将来なんてずっとずっと先のことで、その、いつかわからない将来のためにがんばるなんて、ばかげているとしか思えませんでした。そのときの自分のことしか、目に入っていなかったのです。

ですから、今の天が、親からはだらだらと毎日を過ごしているようにしか見えなくても、天にとっては「心も身体も伸びていくとても大切な時期」のベストな過ごし方をしている、と思うしかありません。

そして、今回のことでは、天にも成長を感じる点がありました。

自分から塾の先生に、「辞める」と伝えたことです。「塾に行ってほしい」と心の中で願っているわたしの前では、「辞めたい」とはけっして言わなかったのです。

とすれば、ようやく表に出た天の「本当の本心」を、認めざるを得ません。

天、あっぱれじゃないか!

と、忖度された母親は思っています。

最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

 

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学習塾を経営しながら、発達障害グレーゾーン中学生の息子・天を絶賛子育て中。 楽しかったり楽しくなかったり、うれしかったりうれしくなかったりする天との毎日を、母の目から率直につづります。