天は毎日、どんな勉強をしているのでしょうか。
①学校の宿題
まずは、学校の宿題です。ところが、この宿題というのがびっくりするくらい少ないのです。
あって一科目、しかもプリント一枚くらい。小学校のときのほうが多かったくらいです。
地域的に塾に通っている子が多いので、その配慮でしょうか。
それとも、中学生ともなれば、宿題というかたちに頼らず、自分で予習・復習をきちんとやってくるように、という先生方からの見えないメッセージでしょうか。
そうであれば、見えることですら自分の見たいようにしか見ない天には、はっきりと言葉で伝えてほしいものです。
②手作りプリント2枚
毎日、天のために英語と数学のプリントを一枚ずつ、手作りしています。
天がテストでまちがえていた問題などを、少しずつパターンを変えて毎日くり返すのです。
英語なら、たとえば、be動詞の肯定文・否定分を5問。
数学なら、文字式の代入問題を5問。
これは昔、わたしが学生時代に家庭教師をやっていたときに非常に効果が大きかった方法なので、天にも試しているのですが、天にはあまり向いていないのかも…
天は特に英語が苦手で、毎日ほぼ同じ問題を出しているにもかかわらず、同じところで間違います。あーあ。と無力感にとらわれながらも、勉強は積み重ねです。いつか突然、効果が表れるかもしれない。
今日こそ100点!と願いながら、毎朝、せっせと手書きで作っています。
③市販の問題集を各教科一枚ずつ
市販の教科書ワークの中の、基本のページを一日一枚やっています。どれも、すいすい解けるものを選んでいます。まずは勉強ってやってみるとおもしろい!と思ってもらいたいから。その気持ちはまったく天には通じていないな、とは思いますが。
以上、恥ずかしいほど少ないのが、今の天の勉強のすべてです。集中してやれば30分もあれば終わるのでは…と思うのですが、天の場合はそうはいきません。
何より天にとって難しいのが、「勉強そのもの」よりも、「勉強をはじめる」ことなのです。
部活が終わって帰ってくるのが5時半くらい。帰るとテレビで録りためた番組を観て、それが終わるとマンガでしょうか。または、大好きなバランスボールにもたれて、ゆらゆらしています。
くわしくは、こちらをご覧ください。
「そろそろ宿題やったら?」
と声をかけても、
「わかってるわかってる」
と平気な顔。
さらに時間がたち、
「そろそろやらないと時間がなくなるんじゃない?」
と声をかけても
「大丈夫大丈夫」
この時点で8時、9時になっていますから、こちらはかなりイライラしています。
ぎりぎりまで先延ばしをした結果、勉強にかかるのはどうしても10時くらいになります。
勉強をはじめても、なかなか集中しません。お茶を飲んだり、トイレに行ったり、つめを切ったり、なんで今やるの?と思うようなことを次々にはじめ、5分と座っていません。
その間にも時間は過ぎていきますから、勉強時間はどんどん削られていくわけです。
一方のわたしは、10時過ぎには寝入ってしまいます。夫のお弁当作りや仕事の準備のため、朝が早いのです。
けれども、熟睡はできません。ちゃんとやっているだろうか…大丈夫だろうか…もう寝ただろうか…と、天のことが気にかかりで、何度か目を覚ましてしまいます。
そのたびに、天は起きています。夫が帰っていれば、夫のタブレットを勝手に使ってゲームをしていたりします。
「早く寝よう。明日起きられないよ」
声をかけると、
「わかってる」
と答えます。
でも、次に目を覚ましたときにもまだ起きています。
眠くないのだろうか…と思いますが、眠くないようです。
発達障害の子には、多かれ少なかれ睡眠障害があると聞きますが、まさしく天にも当てはまります。
そうこうして、朝。
テーブルに、やるはずだったプリントがそのまま置いてあることもしばしば。
天に、やるべきことをきちっとやれる子になってほしいと思うけれども、天にはそれがいちばん難しいのだな、と感じます。
目標を立てることはできるのだけれど、それに向かって自分を律していく力がすこぶる弱い。遠くの目標より、目の前のテレビ、ゲーム、おやつです。
ヨガのアーサナのひとつに、クンバというものがあります。これは、「息を止める」アーサナです。これを全国の大学生にやらせる実験を行ったところ、いちばん長い時間クンバができたのは、東大生の集団だったそうです。
きっと東大に受かるようなひとは、意思の力が強いのでしょう。
天はたぶん、いちはやくクンバをやめるタイプ。いやいや、やる前から「それはむずかしい!できない!」と文句を言いそうです。
そのぶん、明るくかわいいヤツでもあるのですが。
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。