天の脱ステロイドはまだまだ続いています。
脱ステロイドを始めてから10か月ほどがたち、もう今では寝込むことも血まみれになることもなくなりました。
肌は強くなり、かいても表面に白いかき傷がつくだけで、落屑(らくせつ:皮膚の表層がはがれ落ちること)はあっても出血したり滲出液が出たりすることはなくなりました。断言はできませんが、そろそろ最終段階に入っているのでは…と思っています。
けれど、肌のかゆさはまだ続いています。部活から疲れて帰ってきてほっとしたとき、寝ているときなど、つい手が肌に伸びて延々とかいてしまいます。
肌が強くなったぶん、ぼりぼりぼり・・・とかく音が大きくなり、気がすむまでかきむしるので、夜などその音が大きく響いて、わたしのほうが眠れなくなることがあるほどです。
かかなければ悪化の連鎖は終わるのに…と悲しいやらいまいましいやら。けれど天は、汗をかくだけでも肌がかかゆくなるタイプ。しかもメンタルが弱いときていますから、かゆさをがまんすることなどとうていできません。そしていちどかき出すと、もう止められない。ぼりぼりぼりぼり、ぼりぼりぼりぼり、ぼりぼりぼりぼり…
これまでも、かかないために何かよい方法はないだろうか・・・と試行錯誤を続けてきました。
手袋をはめたり、パジャマの袖のさきをしぼって手が出ないようにしたり、両手をあわせて縛ってみたり…虐待?と疑われそうなことも試してきました。
夫が安い子ども用のボクシンググローブを買ってきたこともあります。
脱げにくくはありますが、子ども用とはいえやはり無駄に大きく、ものすごくじゃま。はずれたときにひとりではめにくいという問題もあります。
わたしが起きて、ずっと手をつないでいたこともありました。
しかしながらここへ来て、すばらしいものと出会いました。
メンリッケという会社から出ている「チュビファー2way」です。
チュビファーストとは
「チュビファースト」は筒状の包帯で、からだの各部位にすっぽりはめて使います。
幅は以下の5種類。使う部位や年齢、性別によってぴったり合うものを選びます。
- 赤 幅3.75㎝×10m 赤ちゃん~幼児の腕に
- 緑 幅5.75cm×10m 赤ちゃんの脚・小学生の腕や脚・女性の腕に
- 青 幅8.5cm×10m 大人の腕・女性の脚に
- 黄 幅12.75cm×10m 赤ちゃんの頭部・子どもの胴体に
- パープル 幅21cm×5m 大人の胴体に
まずは腕用として、「緑」を購入してみました。
天は細身ですので、このサイズでぴったりでした。
これを腕の長さに2枚切ります。
一枚を濡らして装着し、その上からもう一枚を装着します。
2枚を装着するのでしっかりとはまります。1枚は濡れているのでひんやりとして気持ちよく、保湿効果で皮膚表面の潤いを保ち、かゆみを軽減する役割があるようです。薬を使用しているなら、薬を塗ったうえから装着することで薬の浸透を助けます。
これが推奨されている「ウエットラッピング」です。
はずれにくい
チュビファーストのよいところは、何よりはずれにくいことです。
伸縮性はありますがのびのびタイプではないので、ほどよく腕にフィットしてはずれません。通気性がありますので蒸れることはなく、腕の曲げ伸ばしも問題なくできます。布の厚さや強度が絶妙です。
薄いので、かゆみがあれば布の上からかくこともできます。布の上からになるので肌にはほどよい刺激は伝わるけれども、傷はできません。
洗って何度でも使える
チュビファーストのすばらしい点は、洗って何度でも使えるということです。
長く続くアトピー治療には、コスパの良さも見逃せません。
わたしもせっせと洗っています。若干の縮みやほつれは出ますが、使用に問題はありません。
ただ問題は、編み目に剥離した粉状の皮膚がからみついてしまうことです。これは落ちにくく、ひどい場合は再利用せず捨てています。
天の場合
チュビファーストを巻くことで、かゆみが完全になくなるわけではないけれどもほどよく散るらしく、天に「どう?」と感想を聞くと、ぶっきらぼうに「いいんじゃない?」と答えました。
これは「よい」という返事です。
そこで、脚用も購入することにしました。青です。
ひざの裏や足首が非常にかゆいらしいので、太もも~ひざ、足にかけて、チュビファーストを装着します。腕とおなじく脚にもぴったりはまり、ずれることもありません。
ああ、これでアトピーから卒業か…とほっとしたのですが、毎度のことながら、めでたしめでたし…とはいかないところが、天の残念なところです。コツコツとまじめにものごとに取り組むタイプではないからです。
かきむしり大会の舞台となる夜ごとに、きっちりとチュビファーストをはめて寝る…この簡単なことが、天にはできません。
チュビファーストは肌にぴったり密着するので、ときどき肌にくっついてしまい、はずすときに痛いことがあります。天にとっては、かきむしって肌が悪化することよりも、この「痛み」をがまんすることのほうがつらいらしいのです。それで、気分がよいときにしかはめたがりません。ざらついたアトピー肌維持と、一瞬の痛みののちの回復のどちらかを選ぶなら、回復を選んだほうが将来的によいのではないか、と思うのですが(だって治れば痛みもなくなる)、なにしろ痛みに弱い天なので、仕方がありません。
まじめにトライできる方は、一日も早くチュビファーストをはめることをおすすめします。
特に赤ちゃん~幼児にはよいと思います。天も赤ちゃんのころ、こちらが泣きそうになるほど肌をかきむしって血まみれになっていました。その頃にチュビファーストを知っていたら…と悔やまれます。
なおチュビファーストはドラッグストアなどでは売っていません。ネットでの購入をおすすめします。
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。