眠る男

発達障害グレーゾーンの高校生・天は最近、ずっと寝ています。

家に帰ってソファに座り、スマホを取り出しチェックしているなと思ったつぎの瞬間には、寝ています。疲れて、眠くてしかたがないそうです。そのまま朝まで寝ていることもあります。

これはよいことだ、と思っています。

というのは、天は生まれつき寝付きが悪く、夜も遅くなりがちでした。床についてからも一時間ほどは眠れず、ずっと天井をながめていたそうです。発達障害を抱える人は睡眠障害も同時に抱える場合が多いので、これも発達障害のせいだろうと考えていました。

発達障害の改善には何よりも眠ることが大切だといわれているのに、その発達障害には睡眠障害がつきもの・・・って、なんて困った相関関係でしょうか。

なので、高校生になり、毎日10時間くらい、多いときはもっと眠るようになり、寝られるようになった、成長したなとうれしく思っているのです。

睡眠障害に加えて中学の2年間ほどは、アトピーの悪化でろくに眠れなかったという事情もあります。現在デュピクセントのおかげでアトピーが劇的に改善し、途中かゆみで目が覚めることなく眠ることができるようになったことも大きいです。

なので、今までろくに眠れなかったぶん、とにかく気の済むまで、寝るのがいやになるまで、寝ればいいと思っています。そのうち気力も体力も充実して、起きている時間のほうが長くなるはず、と信じています。

しかしながら、しかしながら・・・

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疲れ過ぎるのは、発達障害のせい?

高校生というのは、こんなに疲れるものなのだろうか、という疑問が湧いてもきます。人生でいちばん体力が充実しているのが高校生なのではないでしょうか。

天はアルバイトもしたいようですが、とにかく眠いので、アルバイトをする時間を作り出せないのが現状です。学校が遠く、実技の多い学科で活動量も多いので、疲れることは確かです。ただ、勉強もし、部活もし、バイトもしている友人もいます。

どうして天は、学校+部活だけでここまで疲れ切っているのだろう?このままでは学校に行って帰って眠るだけで3年間を終えそうな気もします。

やはりこれは、発達障害のせいなのだろうか?

発達障害の子どもは「ほどほど」がわからないため、何事も極端に走る傾向があります。

天も、学校生活や部活で神経を使い過ぎたり、がんばり過ぎたりしているのではないだろうか。盲目的に「過集中」を起こして、その結果、疲れ果てているのではないだろうか。

加えて、発達障害の子は体幹が弱かったり、筋力が弱かったりして、体力がないとも言われます。

活動に見合った体力がないせいで、ここまで疲れているのかもしれない、とも思います。

天の活動量がどの程度のものなのか、すぐそばで見ているわけではないので、よくはわかりません。けれども天兄のケースや自分の経験からしても、確かに環境が変わると疲れはするけれども、それも最初のうちだけで、2~3か月もすると精神的にも体力的にも慣れて、自分なりのペースを作り出すことができるものです。しかし、天の場合、高校に入ってもう10か月ほどがたっています。いつになれば慣れるのだろう?

体力がないことは天も気にしているようで、体力をつけようと、父親のダンベルを使って筋トレをしていることがあります。からだを鍛えて、2年生になる頃にはバイトもしたい、と考えてもいるようです。

今までの人生でいちばんやる気を出しているのに、まさか「体力がない」ことが天の行く手を阻むことになるとは。

もしそうだとしたら、このさきの天の人生は、かなりむずかしいことになるのでは・・・と、ときどき考えます。やりたい仕事があるのに、過集中と体力がないことで疲れ過ぎて、業務に支障が出るようなことにならないか、まだわからない未来までふと考えてしまいます。

とにかく今は寝て、ひたすら寝て、そのあいだにむくむくっと天の心とからだが成長することを願っています。

最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

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学習塾を経営しながら、発達障害グレーゾーン中学生の息子・天を絶賛子育て中。 楽しかったり楽しくなかったり、うれしかったりうれしくなかったりする天との毎日を、母の目から率直につづります。